― 「してあげたい気持ち」を、どう扱うか ―
ご葬儀の返礼品について、
「自分で選びたい」
「身内の店のものを配りたい」
そう考えられる方は少なくありません。
それは単なる準備の話ではなく、
故人に対して「してあげたい」という想いの表れでもあります。
葬儀の仕事に携わる私自身も、身内の葬儀を経験する中で、そのことを強く感じました。
生前から頼まれていた、返礼品のこと
身内からは生前、
「返礼品はこれがいいと思っている」
「できれば、こういうものを渡してほしい」
と、具体的な希望を聞いていました。
理屈では理解していました。
元気なうちに準備しておけば、後の負担が軽くなることも。
仕事柄、その大切さも十分にわかっているつもりでした。
それでも――
生前から返礼品を用意することだけは、どうしても私にはできませんでした。
「できなかった私」と、「できた家族」
結果として、返礼品の手配(購入・数量調整・配送)は、すべて家族に委ねることになりました。
仕事にしているのに、自分でやるべきではなかったのか。
そんな思いがなかったわけではありません。
けれど当時の私にできたのは、
故人と向き合い、家族と過ごし、自分の気持ちを保つことまででした。
一方で家族の中には、
「それをすること自体が、故人のためになる」
「してあげられるなら、やりたい」
そう思える人もいました。
同じ家族でも、できること・したいことはそれぞれ違う。
今はそう感じています。
身内のお店の品を配りたい、という気持ち
返礼品について、
「身内が扱っている商品をお配りしたい」
というご相談をいただくことがあります。
それは宣伝や合理性ではなく、
その方なりの故人への向き合い方であることがほとんどです。
「これを渡してあげたかった」
「この形で送りたかった」
そうした想いは、大切にされてよいものだと私たちは考えています。
だからこそ、事前に確認しておきたいこと
一方で、気持ちだけで進めてしまうと、ご本人やご家族の負担が大きくなる場合もあります。
そのため私たちは、
「やめたほうがいい」と止めるのではなく、
必要な注意点を共有した上でご判断いただくことを大切にしています。
たとえば、
- 数量の過不足が起こりやすいこと
- 弔事用の包装・のしの準備が必要なこと
- 当日までに確実に手配・配送できるか
- 食品の場合は日持ちや保管への配慮
これらを事前に確認することで、
「やりたいこと」を無理なく実現しやすくなります。

本当に大切なのは、「誰が、何を担うか」
返礼品を
自分で用意するか、
葬儀社に任せるか。
どちらが正しい、ということはありません。
大切なのは、
そのご家族の中で、
誰が何を担うのが自然かということです。
無理をして抱え込む必要はありません。
「してあげたい」と思う方がいるなら、その気持ちを大切にしてもよいのです。
私自身の経験からも、そう感じています。
迷われたときは、ご相談ください
私たちクリスチャンサービスは、形式や慣習にとらわれるのではなく、
ご家族にとって無理のない形を一緒に考えることを大切にしています。
「これは自分でやりたい」
「これは任せたい」
その両方があって構いません。
途中で気持ちが変わっても大丈夫です。
返礼品について迷われたときは、どうぞお気軽にご相談ください。